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倫理研究フォーラムin兵庫


主催:一般社団法人倫理研究所

 平成30年6月9日(土)、加古川市民会館で開催。テーマは『日本文化再発見━先人の知恵に学ぶ』。参加者916名。

 はじめに倫理研究所丸山敏秋理事長から 「日本だけでなく世界中で起きている大変動をたくましく生き抜く大きな力として、日本をもっと知り、先人の知恵に学ぶことこそが不可欠である。 今回はこのことを確認する場にしたい」という開催趣旨が述べられました。

 

 第1部では、丸山理事長によって「縄文から平成へ━日本文化の核にあるもの」と題した発表が行われました。 日本は国土が狭いにもかかわらず、あらゆる地勢が盛り込まれていることや、四季のすべてが備わっており、 世界中のほとんどの樹林もある日本は「不思議な風土」を持つ国であることに触れ、 この風土により日本は神話時代から「豊葦原の瑞穂の国」とされ、日本人は類まれな「まなびの力」や卓越した「受容吸収消化力」、 つまり「調和協調」という資質を得るようになったと指摘。 しかし大きな転換期として見えない未来に対して不安が高まっている今こそ、 日本人は世界最古で最長の文明である縄文時代という「ルール」に立ち戻ることが必要であると述べました。 その上で、縄文時代には日本人の精神性の根底となる生命の根源に対する畏敬の心や純粋・無私の祈りの精神、 また独特な美意識の深化と巧みな手技、および和魂と荒魂のバランスという性質が育まれたことを紹介しました。

 続いて、倫理文化研究センター、寛(かん)ボルテール専門研究員が「知られざる和食」について発表しました。 フィリピン・セブ市出身の寛専門研究員は大学時代から日本で過ごし、 現在は茶道をはじめ伝統工芸や和食など日本の「文化遺産」を題材にして研究活動を行っています。 今回のフォーラムでは現代における「空前の和食ブーム」とそれが持つ意味などについて発表しました。 数年前にユネスコがWASHOKUを無形文化遺産に指定したことを改めて述べ、 その上で寿司こそが最も誇らしい和食であるという日本人の意識調査の結果や、 それと呼応するように外国人にとって一番人気がある和食も寿司であるということなどが紹介されました。 しかしながら日本食文化を長年研究してきた学者などの間では和食についての考え方に大きな隔たりがあり、 それぞれの立場から和食の定義も多種多様であることも指摘されました。 そしてそのギャップを埋めるのは容易ではないが、和食は世界で日本のイメージや日本人自身のアイデンティティーに繋がる存在なので、 その努力は重要であると述べました。

 第2部では丸山理事長と寛専門研究員によってユーモアを交えながら発表内容を確認しつつ対談が行われ、 日本文化の再発見の必要性が再度提唱されました。 和やかな雰囲気の中、フォーラムは盛況裡に終了しました。