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生涯学習総合誌として、毎月、夫婦の関係、子育て、職場生活を充実させるポイントとなる記事を掲載しています。若い世代から高齢者まで、どなたにもお読みいただける雑誌です。
□巻頭言 丸山敏秋理事長『新世言』
テーマ 未病を治す医療
昔から受け継がれてきた伝統医療なるものが、世界の各地にある。東アジアの漢字文化圏では、古代中国に生まれた鍼(針)や灸などを用いる物理療法、また生薬を組み合わせて運用する薬物療法などが伝えられてきた。それらはひっくるめて、東洋医学とか漢方とか呼ばれる。
伝統医療の現場では、自分の技量に応じて、臨機応変に対処しなければならない。「医者の匙かげん」にしても、薬物の種類と量を匙ひとつで微妙に調合するところに、医師の力量があることを教えている。検査の数値に依存する現代医療と、「意術」を極意とする伝統医療とでは、土台が異なるのだ。
東アジアの伝統医療で理想とされたのは、「聖人は未病を治す」という言葉に示されている。具体的な自覚症状や他覚症状が出ていなくとも、すでに体内の「気」のバランスが乱れていたら、それを広い意味の病気すなわち「未病」と呼び、その段階で治癒に導く医療が望ましいとされた。
伝統医療のねらいは、人間が持つ自然治癒力を最大限に発揮させた「気のバランス回復」にある。そのために、食事や運動を基本とした養生法が重視された。医療はあくまで補助にすぎない。真に病気を治すのは、患者本人の生命力にほかならないのだから。
文明開化の明治になって、東洋医学は撲滅される危機に瀕した。しかし、伝統を守ろうとする先人たちの尽力によって命脈を保ち、現代医療では及ばない領域をカバーし、今なお日本の医療に貢献していることを誇らしく思う。
■特集「計を立ててみませんか」
新しい年を迎えると、気持ちも改まり新しいことにチャレンジしたくなります。
「今年こそあの実現を」と誓いを立てる。数年温めていた目標に一歩を踏み出す……。
さあ、輝く1年がスタートします。
◇実践の軌跡(倫理研究所会員の手記)
夫の美点に気づいたことから理解が深まり、愛和の家庭に
髙橋和歌子さん(家庭倫理の会 昭島)
純粋倫理の実践を通して夫との関係を見つめ直し、妻そして母として成長できました。
私を変えた四つの実践
平井俊行さん(茨城県倫理法人会)
長男との親子げんかを契機に、自分の態度を改め、家族や社員との関係を改善しました。
◇連載
・日常の倫理37
「締め括りを美しく」
三浦貴史(倫理研究所研究員)
・倫理相談の現場から25
「指の痛みが教えてくれた、母の心」
山下幸平(倫理研究所研究員)
・受け継ぎたい日本の祭り13
「極寒に挑む」
◇カラー
・美しきあきつしま 67
「秋田杉で栄えた東洋一の木都 (秋田県)」