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生涯学習総合誌として、毎月、夫婦の関係、子育て、職場生活を充実させるポイントとなる記事を掲載しています。若い世代から高齢者まで、どなたにもお読みいただける雑誌です。
□巻頭言 丸山敏秋理事長『新世言』
テーマ 多死社会を生き抜く
五年前、二〇一八年の日本の死者数は約一三七万人で、出生数約九二万人の約一・五倍だった。団塊世代(一九四七〜四九年に生まれた人たち)がすべて後期高齢者入りする二〇二五年になると、毎年の死者は一五〇万人を超え、二〇四〇年には約一七〇万人になると推定されている。すなわち毎年の死亡者が出生の二倍を超える「超多死社会」となるのだ。
かつて死は、日々の暮らしの中で身近に遭遇し、感覚的に体験できる出来事だった。老人だけでなく乳幼児もよく命を落とした。しかし戦後になって衛生環境が整い、医療技術が格段に向上すると、平均寿命がぐんぐん延びて、死の瞬間や死にゆく過程は医療が決定するようになる。
しかし多死社会では、医療関係者ばかりに死を押しつけられない。各自がみずからの死と向き合い、死に方への意志が求められる。
人は、いつ、どこで生まれるかを希望できない。しかし、生まれたからには免れない死を、どのように迎えるかを考え、終末期医療の受け方などを選択することはできる。
自己の死と真剣に向き合うことが、すでに到来している多死社会を生き抜く力になるのである。
■特集「気づきを生かそう」
「手紙を書かなきゃ」「片付けよう」など日々の生活の中で、フッと浮かんでくるのが「気づき」です。
〈後で〉と思えば、結局やらずに終わったり、慌てて取りかかったりすることが多いもの。
「思い立ったが吉日」と言われます。
今月は、日々の小さな「気づき」を生かすためのヒントが満載です。
◇実践の軌跡(倫理研究所会員の手記)
長男の子育ての悩みに向き合い、自身の苦手も乗り越えて
高橋正子さん(家庭倫理の会鎌ヶ谷市)
子育ての悩みから、夫に合わせる大切さを学び、苦手なことにも果敢に挑戦しました。
夫の言葉を心の支えとして地域に貢献する会社を目指す
松森悦子さん(広島県倫理法人会)
突然夫から会社を託され、経営不振や新規事業の撤退などを乗り越え、自社を回復させました。
◇連載
・日常の倫理39
「『空所』によって、こころにゆとりを」
中村 学(倫理研究所研究員)
・倫理相談の現場から27
「自ら作っていた心の壁を壊す」
嶌本真人(倫理研究所研究員)
・受け継ぎたい日本の祭り15
「春にうかれる」
◇カラー
・美しきあきつしま 69
「人を癒やし食を育む温泉の町 (青森県)」