倫理研究所

イベント情報
2016.4.1

「倫理研究フォーラムin長野」を開催しました

 主催:一般社団法人倫理研究所 
後援:長野県教育委員会・松本市教育委員会・安曇野市教育委員会

 

 

平成28年3月26日(土)、松本市のキッセイ文化ホールで開催されました。参加者534名。

 

    

 

 

テーマ「『つもり』からの脱却」

 

 第1部は「意思決定科学から見た『つもり』」と題して、倫理文化研究センターの研究員・内田智士が研究発表を行ないました。日常生活は、判断・選択・意思決定の連続であり、自分で熟慮して決断したとしても、その決断に至った理由について客観的な視点で考えることはないと指摘。私たちの意思決定は外界と完全に独立してなされることはなく、外界から情報を得て、その情報に応じて意思決定する。もし外界の情報を正しく認識していないのであれば、その認識は私たちに錯覚をもたらし、結果的に「つもり」が潜むことになると述べました。続いて、倫理文化研究センターの専門研究員・高橋徹が「現代社会の特殊性」をテーマに発表。現代社会に生きる私たちは、学校や職業、伴侶の選択などに対し、〈○○でなければならない〉という思い込みを抱えている。また、この思い込み(つもり)は、倫理研究所の創立者・丸山敏雄のいう「ツミ」に似ていると指摘し、『実験倫理学大系』(丸山敏雄著)の中にある「消罪の方途」の章を紹介。自分の中にある「つもり」に気づき、ツミを祓い清める。そうすることで初めて、いきいきと生きることができるようになるとまとめました。

 

 

 第2部では、丸山敏秋(倫理研究所理事長)がコーディネーターを務め、内田智士と高橋徹によるパネルトークが行なわれました。「つもり」という言葉の広義的な意味や、思い込みを捨て人間本来の輝きを取り戻すための方法論や解決策などについて意見が交わされました。最後に丸山敏秋が童謡詩人・金子みすゞの詩「ふしぎ」を取り上げ、「世の中の出来事をすべて“当たり前”と捉えて、わかった“つもり”になるのではなく、今この一瞬を大切に生きることが充実した人生につながる」と結びました。