倫理研究所

活動報告
2025.4.4

「第28回地球倫理推進賞 贈呈式」を開催しました

主催:一般社団法人倫理研究所

後援:文部科学省・産経新聞社・全国民間放送ラジオ局37社

 

 

 

2025年3月29日(土)、「第28回地球倫理推進賞贈呈式」を480名の出席のもと開催しました。

 

応募総数は46件(国際活動部門18件、国内活動部門28件)。3次にわたる厳正なる選考の結果、国際活動部門は「特定⾮営利活動法⼈ アクセプト・インターナショナル」(代表理事:永井陽右氏)、国内活動部門は「⼀般社団法⼈ ⽇本看取り⼠会」(会長:柴⽥久美⼦氏)が受賞しました。

 


【国際活動部門】
特定⾮営利活動法⼈ アクセプト・インターナショナル
左から永井陽右代表理事、山﨑琢磨氏

【国内活動部門】
⼀般社団法⼈ ⽇本看取り⼠会
左から柴⽥久美⼦会長、宮本大幹氏

【国際活動部門】
特定⾮営利活動法⼈ アクセプト・インターナショナル
左から永井陽右代表理事、山﨑琢磨氏

 

【国内活動部門】
⼀般社団法⼈ ⽇本看取り⼠会
左から柴⽥久美⼦会長、宮本大幹氏

 

第1部では本事業の背景及び意義を映像で紹介した後、6名の選考委員を代表して津田塾大学 名誉教授の三砂ちづる様より講評が述べられました。アクセプト・インターナショナルには、危険を冒してでも、紛争当事者の人生に寄り添っていく姿勢を、日本看取り士会には、医療や福祉などの分野ではフォローが難しい看取りを通して、死にゆく人と家族の心に寄り添う活動を称えました。
続いて、倫理研究所 理事長・丸山敏秋より両団体に地球倫理推進賞および副賞100万円が贈呈され、文部科学省 総合教育政策局 地域学習推進課 課長補佐の榎木奨悟様から、両団体へ文部科学大臣賞が授与されました。

 

 

第2部は、両団体による活動報告が行なわれました。

 

国際活動部門受賞のアクセプト・インターナショナルは、「アクセプト(受け止める・受け入れる)」を基本理念に掲げ、ソマリア連邦共和国(アフリカ)などの紛争地で活動しています。反政府組織に所属する戦闘員の投降・離脱および社会復帰を支援。武器を手放し、平和に貢献する一人の人間として再スタートできる環境を整えることで、戦いに関わる人を減らしていき、テロや紛争のない世界をめざしています。

 

講演では、創立者の永井陽右代表理事が登壇。大学一年生のとき、内戦や飢饉によって「比類なき人類の悲劇」と呼ばれていたソマリアを知り、「何ができるかわからないけど、やるべきことがある」との思いで活動を始めました。現在では六つの国で活動を展開し、国際規範の制定に向けた働きかけなども行なっています。永井氏は、戦闘員やテロリストであっても、皆ひとりの人間であり、無限の可能性を持っている、と力強く語りました。最後に、パレスチナで女性・若手リーダーの主導による新たな和平プロセスを構築する展望を述べ、広く支援を呼びかけました。

 

 

続いて、国内活動部門受賞の日本看取り士会は、「人生の例え99%が不幸だとしても、最期の1%が幸せならば、その人の人生は幸せなものに変わる」というマザーテレサの言葉を理念に、看取り士の養成や看取り学講座などの啓発活動を行なっています。現在、全国で2800名以上が活動する専門職「看取り士」は、終末期の人の尊厳を守りながら納棺まで寄り添います。また、家族には看取りの作法を伝え、心のケアにも携わります。

 

講演では、柴田久美子会長が、小学校のときに自宅で父親を看取ったときの温かい記憶を原点に、人が幸せに旅立つことができるあり方を探したことが、活動のきっかけだったと話しました。社会に出て会社員として働いた後、病院のない離島に看取りの家を設立し、抱きしめて看取る実践を重ねた柴田氏。同会設立に至った経緯と実際の看取り士の活動内容を紹介してから、2040年には約47万人が満足な終末期ケアが受けられなくなる現状を踏まえて、十分な環境整備をめざすと決意を述べました。
なお、講演の途中には、同会の活動に協力している藤和彦氏(経済産業研究所コンサルティング・フェロー)も登壇し、人の死をタブー視せずに向き合っていく社会のあり方が求められることを指摘しました。

 

 

 

最後に、主催者を代表して丸山理事長が挨拶に立ち、多くの方々のご協力で今年も贈呈式を行うことができた御礼を述べた後、地球倫理推進賞の創設者・丸山竹秋会長の言葉を紹介し、「これからも皆様のご協力を得ながら地球倫理推進事業を続けてまいります。ご支援のほどよろしくお願い申し上げます」と締めくくりました。